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塗装の基礎
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* 塗料のツヤ *
 
 乾燥後の塗装のツヤは、『光沢』、『ツヤ消し』、『半光沢』の3種類に分けられます。
 
 『光沢』とは、表面が光を反射する滑らかなツヤのある状態で、『グロス』とも言います。
 
 『ツヤ消し』は、塗料に混入されている『フラットベース(ツヤ消し剤)』によって、乾燥後の
 塗装面がザラザラで光を乱反射させるため、ツヤが消えて見える状態の事です。
 『フラット』とか『マット』とも言います。
 
 『半光沢』は、『光沢』と『ツヤ消し』の中間くらいの状態の事で、『半ツヤ』とか『セミグロス』
 とか『セミフラット』とも言います。
 
『光沢』『半光沢』『ツヤ消し』


* フラットベース *
 
 ツヤを調整するために、各種塗料には専用の『フラットベース(ツヤ消し剤)』があります。
 多くの塗料は『光沢』ですが、『フラットベース』を混入する事でツヤの状態を調整する事が
 できます。 『光沢』の塗料に対し やや多めに添加すれば『ツヤ消し』になり、やや少なめに
 添加すると『半光沢』になります。
 
 混入量の加減によって、微妙なツヤの調整ができる事が『フラットベース』の長所ですが、
 多く入れ過ぎると乾燥後に白く曇ってしまったり、塗膜がひび割れたりします。 添加量の
 目安はビンのラベルに表記されているので事前に確認しておきましょう。 また、トラブルを
 事前に防ぐためにも、必ず試し塗りをするようにしましょう。
 
 ちなみに、市販されている『ツヤ消し』の塗料に『クリアー(光沢)』を混入しても、完全には
 『光沢』にはなりません。 市販の『ツヤ消し塗料』を『光沢』にしたい時は、塗装後に下記の
 『クリアースプレー』を吹き付けると良いでしょう。
 
 フラットベース各種。 中身はこんな。 混入量が多い例。


* クリアースプレー *
 
 ツヤの調整方法としては最も手軽なのが、『クリアースプレー』の吹き付けです。
 (株)GSIクレオスの『Mr.スーパークリアー(ラッカー系)』や、『トップコート(水性)』などは
 非常にポピュラーな製品で、『光沢』、『半光沢』、『ツヤ消し』の3種類が揃っています。
 
 『クリアースプレー』は、作品が完成した後でも手軽にツヤを調整できる事が大きな魅力で
 “塗膜の保護”にも非常に効果的です。 また、塗装の塗り分け部分にできる僅かな塗膜の
 段差を目立たなくする効果もあります。 『エアブラシ』を使用して、ビン入りの『クリアー』や
 『ツヤ消しクリアー』を吹き付けてもOKです。
 
 『クリアー』塗料は、名前の通り“無色透明”なので、ついつい吹き過ぎてしまいがちです。
 吹き付けた量も確認しにくいので、くれぐれも“吹き過ぎ”には要注意です。
 特に、『ツヤ消しクリアー』を吹き過ぎてしまうと、乾燥後に表面が白く濁ってしまう事がよく
 あるので気を付けましょう。
 
 クリアースプレー各種 ツヤ消しと光沢が混在。 ツヤ消しクリアーを吹いて
 ツヤを整えた。
 1層目の塗装。 上塗りすると、色の境目に
 僅かな段差ができる。
 仕上げにクリアーを吹くと
 段差が目立たなくなる。

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