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塗装の基礎
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* 油分の除去 *
 
 制作中は直接作品を触って作るので、手の油が表面に付着する事がよくあります。
 作品の表面に付いた油分は塗装の妨げになるので、確実に油分を除去しましょう。
 
 左下の写真は、(株)ワークの『ふきんしっぷ』で油分の除去をしているところです。
 『ふきんしっぷ』は、拭くだけで油分を取り除く事ができるウェットティッシュのような製品。
 台所用洗剤などで水洗いをしてもOKです。
 
 表面に油分が付いたままで塗装を行なうと、塗料の食い付き(定着)が不十分で、塗装が
 剥がれやすくなってしまいます。 例えば、『マスキングテープを剥がす時、テープと一緒に 
 塗装が剥がれてしまった。』というような失敗が起こる可能性があります。
 
 『ふきんしっぷ』を使用して
 作品表面の油分を除去。
 手の油が付かないように
 薄手のゴム手袋も有効
 塗装が剥がれてた例。
 ....かなり落ち込む。


* サーフェイサー *
 
 下地の表面処理は、塗装の美しさを左右する非常に重要な作業です。
 どんなに綺麗に塗装をしても、細かいキズや気泡や段差などが残ったままでは、完成度が
 大幅に下がってしまいます。
 
 下地処理ための代表的な物として、『サーフェイサー』のスプレーがあります。
 『サーフェイサー(略称サフ)』には、表面の細かいキズや気泡などを消す効果があります。
 サフの色はたいてい明るめのグレーで、これを作品全体に吹き付ける事で、今までは見え
 なかったキズや気泡やヘコミなどを発見しやすくしてくれます。
 
 まずサフを吹いて極細かいキズを消し、同時に大きなキズが見付かったらパテで埋める。
 そして、またサフを吹いて.....という工程を繰り返して美しい塗装下地をつくります。
 (詳しくは「技術室」→「表面処理」の項を参照。)
 
 『サーフェイサー』各種。
 用途によって様々です。
 サフ吹きなど下地処理を
 全く行っていない塗装例。
 光を反射させて見ると、
 細かいキズがよく見える。
 サフ吹きで下地を整える。
 乾燥後にペーパー掛け。
 ペーパー掛けも行なった
 下地の綺麗な塗装例。
 光を反射させて見ても、
 細かいキズは見えない。


* 下地塗装 *
 
 下地の色によって上塗りする塗料の発色は大きく変わります。 例えば、『水色の下地』に
 『青色』を上塗りするとか、『ピンク色の下地』に『赤色』を上塗りする というように、比較的
 薄い同系色の上に塗装する場合は問題ありません。 また、同系色ではなくても薄い色の
 下地に、『黒』や『緑色』などの『隠蔽力(いんぺいりょく)』の高い濃い色を塗装する場合も
 問題無いと思います。
 
 反対に『黒』や『緑色』で塗装をした下地に、『赤』や『黄色』といった『隠蔽力』の低い色を
 重ねると、濃い下地色の影響で思い通りの発色が得られません。 塗装する時は、重ねる
 色の順序にも気を配る必要があります。
 
 理想的な下地の色は やはり『白』です。 サーフェイサーの下地処理が終わったら、全体を
 白一色に塗装しておくと安心です。 白色のサーフェイサーも発売されているので、こちらを
 利用するのも良いでしょう。
 
 下地の塗装も兼ねている
 サーフェイサー各種。
 黒下地にオレンジを塗装。
 下地の影響で発色が悪い。
 白下地にオレンジを塗装。
 綺麗に発色しています。

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