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* ラッカー系塗料 *
 
 (株)GSIクレオスの『Mr.カラー』シリーズは、模型用としては非常にポピュラーな銘柄の
 “プラスチック用”塗料で、通称『ラッカー系塗料』と呼ばれています。 塗料の希釈や用具の
 洗浄には、『Mr.カラー うすめ液』や『レベリング ウスメ液』などの専用溶剤が必要ですが
 乾燥が非常に速く、乾燥後の塗膜(塗装面)が強い事が大きな特長です。
 色数も豊富で、『パール』、『蛍光』、『メタルカラー』などの特殊な色も揃っています。
 
 模型用塗料としては比較的溶剤が強い方なので、アクリル系(水性)やエナメル系塗料で
 塗装した面への“重ね塗り”には適していませんが、“下地の塗装”には最適です。
 
 ※ 『ラッカー系』は、溶剤が強力な一般用の『ラッカー』とは異なるので注意。
 
『Mr.カラー』
『専用の溶剤(シンナー)』


* アクリル系(水性)塗料 *
 
 『ラッカー系塗料』と共に広く普及しているのが、“水溶性”の『アクリル系塗料』です。
 (株)GSIクレオスの『水性ホビーカラー』や、(株)タミヤの『タミヤカラー アクリル塗料』は、
 その代名詞ともいえる製品で、どちらも非常にポピュラーな銘柄です。
 一般に『水性塗料』、または『アクリル(系)塗料』という通称で呼ばれています。
 
 『アクリル系塗料』は、筆塗りにもエアブラシにも適していますが、塗料のノビが良好なので
 特に『筆塗り』に適しているという特徴があります。 水溶性なので塗料の希釈や乾燥前の
 用具の洗浄は、水を使って行なう事が可能です。 もちろん乾燥後は耐水性になります。
 発色も良く、『ラッカー系』と比べ臭気も穏やかなので、初心者の方も安心して使えます。
 
 『アクリル系』の大きな特長は“塗料のノビの良さ”ですが、ノビが良いのは “乾燥が遅い”
 ためなので、逆にこれが欠点ともいえます。 水で希釈すると、さらに乾燥が遅くなるので、
 できるだけ専用の溶剤を使った方が良いでしょう。
 また、『ラッカー系塗料』と比べると“塗膜が弱い事”も欠点です。
 
『アクリル系(水性)塗料』
『専用の溶剤(シンナー)』


* エナメル系塗料 *
 
 『タミヤカラー エナメル塗料』は、最もポピュラーな模型用の“油性・エナメル系”塗料です。
 『エナメル系塗料』は、“乾燥が遅い”とか“塗膜が弱い”という欠点がありますが、塗料の
 ノビが非常に良く、発色も良好なので、『筆塗り』に最も適している塗料と言えます。
 
 溶剤が他の塗料(塗膜)を侵さない事も大きな特長です。
 上記の『ラッカー系』、『アクリル系(水性)』塗料などの上に重ね塗りした『エナメル塗料』は
 エナメル系専用の溶剤で拭き取ってやれば、下地の塗装を侵す事なく修正ができるので、
 細部の塗装や、細かい文字などの失敗しやすい部分を塗るのに非常に重宝します。
 
 『エアブラシ』を使って吹き付け塗装も可能ですが、他の塗料と比べると塗膜が弱いため、
 広い面塗装や下地塗装には適しているとは言えません。
 
『タミヤカラー エナメル塗料』
『専用の溶剤(シンナー)』


* 重ね塗りの注意点 *
 
 一般的な模型用塗料は、大きく分けると『ラッカー系』『アクリル系(水性)』『エナメル系』の
 3種類に分けられます。 それぞれに特徴があるので、用途や塗装方法や表現方法などに
 合わせて使い分けるのですが、ひとつの作品に種類の異なる塗料を使用する場合には、
 重ね塗りする順番にも注意が必要です。
 
 下の表は、基本的な重ね塗りの適正を示しています。
 これを見ると『エナメル系塗料』は、下地の塗装には適していないと言う事が分かります。
 『エナメル系』は塗膜が弱いため、下地塗装に使用すると上塗りする塗料の溶剤によって
 塗膜が溶けて滲んだりしてしまいます。 逆に『ラッカー系塗料』は、塗膜が強く他の塗料に
 侵される心配がほとんど無いので、下地塗装に適していると言えます。
 
 重ね塗りをする時は、『ラッカー系』→『アクリル系(水性)』→『エナメル系』の順番で行なう
 のが基本と言えます。
 
 
〔重ね塗り適応表〕
 
 
 ラッカー系上塗り 
 
 
 エナメル系上塗り 
 
 
 アクリル系(水性)上塗り
 
 
ラッカー系下地
 
 

 
 

 
 

 
 
エナメル系下地
 
 
×
 
 

 
 

 
 
 アクリル系(水性)下地
 
 
×
 
 

 
 

 
 ※ “筆塗り”の場合と“吹き付け塗装”の場合では若干異なります。

(おまけ)
 
〔各種塗料の特徴〕
 
 
乾燥
 
 
ノビ
 
 
塗膜
 
 
臭気
 
 
手軽さ
 
 
ラッカー系
 
 
 非常に速い
 
 
悪い
 
 
 非常に強い
 
 
 ややきつい
 
 
面倒
 
 
エナメル系
 
 
遅い
 
 
 非常に良い
 
 
 非常に弱い
 
 
ほどほど
 
 
 若干手軽
 
 
アクリル系(水性)
 
 
まあまあ
 
 
良い
 
 
やや弱い
 
 
ほどほど
 
 
手軽
 

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