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▼ ベストメカコレクションNo.38 1/550 SCALE ジオン軍重機動砲座 アッザム ▼

 (写真左) 今回は『アッザム』です。 (株)バンダイから1982年6月に発売されたキットです。
 『特設 プラモデル』のトップページでも書きましたが、このアッザム、実はガンダムと引き分けた
 唯一のモビルアーマーなのです。 実際は引き分けたというか逃げ切った感じですが、それでも
 戦いを終えて悠然と去っていく姿はなかなかの感動モノでした。

 しかも、あのガンダムが思わずしゃべっちゃうほどの凄まじい攻撃も見せてくれました。
 後にも先にもガンダムがしゃべったのはこの1回きりです。 「パイロット・オヨビ・回路保護ノタメ
 全エネルギーノ95%ヲ.....」って、よほど辛かったのでしょうか?

 (写真中央) ペラペラの組み立て説明書です。

 (写真右) 同スケールの『マゼラ・アタック』、『ガンダム』、『電磁粒子弾』、『アッザムリーダー』
 が付属しています。 豪華!
 

▼ 制作工程 ▼

 (写真左) とりあえず仮組みしてみると、本体から生えてる4本足の薄さが気になりました。

 (写真中央・右) なので、本体上下パーツの接着面にプラ板(確か1mm厚)を挟んで接着して、
 厚みを増してやります。
 また、本体の底面には砲塔を接続するため、ポリキャップでその軸受けを仕込んでおきました。
 ポリキャップの接着には『SSP(瞬間接着パテ)』を使用しました。
 


 (写真左・中央) 本体上部パーツの内側です。 目(実はコクピット)の周りの十字のスジ彫りの
 横ラインをくり抜いて、裏からポリパテを盛り付けて.....。

 (写真右) こんな風にディテールアップしてみました。
 


 (写真左) 足の付け根の関節は挟み込む設計になっていて、組み立てにも塗装にもいろいろと
 不便なので改造します。

 (写真中央・右) 市販のジョイントパーツ『Y・ヒンジ(2)』とプラ板を使用して関節を新造しました。
 本体側はこれでオッケーですが、問題はここに取り付ける足の内部です。
 


 (写真左・中央) いろいろ考えた結果、このシリンダー状の足の内部はこんな風にしました。
 まず、伸縮するサスペンションのような足は外径5mmのプラパイプに変更。 その径に合わせて
 ポリキャップと外径8mmのプラパイプを内部に配置しました。 この8mmプラパイプは本体からの
 軸受けにも利用します。

 (写真右) 配置が決まったら『SSP(瞬間接着パテ)』を使用してガッチリ固定しました。
 


 (写真左) 足首(?)の関節はボールジョイントに変更。 足の裏は空洞になっているのでプラ板を
 貼っておきました。

 (写真中央) ボールジョイント(シリンダー側)の軸受けには、外径3mmのプラパイプを使用。
 外径5mmのプラパイプと組み合わせています。

 (写真右) 足の外部内側にある骨組みは無改造です。 ただし取り付け部の穴はブサイクなので
 市販のプラパーツで隠しておきました。
 


 上記の通りこの骨組みパーツは無改造なので、このように塗装しながら組み立ててやる必要が
 あります。 昔のキットではよくある作業ですが、久し振りにやると結構楽しいモンですね。
 


 (写真左) 最大の武器『アッザムリーダー』の改造です。 改造前はこんな感じ。

 (写真中央) 周囲のトゲを全部削り落として、トゲがあったところにピンバイスで穴を開けます。
 あとは完成してのお楽しみ。(もう分かりますネ。)

 (写真左) ひとコマ余ったので書いておきますが、上記の骨組みパーツに付いているリベットは
 パーティングラインを消す作業中に削れてしまったので、市販のリベットを貼り付けています。
 


 (写真左) 本体上部に4基装備されている2連装砲塔は、真鍮パイプ(2種類)とポリランナーで
 作り直してやりました。 真鍮パイプは径の違うものを2種類組み合わせて段差を再現しました。
 ポリランナーには穴を開けており、そこに真鍮パイプの砲身を差し込みます。

 (写真中央) こんな仕組みになっています。 出来上がってみるとシンプルな作りに見えますが、
 考えに考え抜いた結果 こうなりました。

 (写真左) 真鍮パイプのお陰で、小さくてもシャープな作りの砲身になりました。
 


 (写真左) 本体下部に4基装備されている2連装砲塔です。 本体上部の砲塔と同様に、砲身は
 真鍮パイプで作り直しました。 砲身はエポキシパテで基部に固定しました。

 (写真中央・右) 完成した砲塔は、先に本体に仕込んでおいたポリキャップに取り付けます。
 


 (写真左) 同スケールのガンダムも付いているのですが、これがかなり大雑把でカッコ悪いので
 頑張って改造します。 黄色い部分がポリパテ、黄土色っぽいのがエポキシパテ、白はプラ材で、
 グレーは市販のプラパーツ(丸ノズル)です。 小さい上にイジるところが多くて大変でした。

 (写真中央・右) まだ改造途中ですが、ちょっと組み立ててみました。
 

▼ 素組みとの比較 ▼

 (写真上段) いろいろパーツが足りていませんが、素組みのアッザムです。
 パッと見て気になるのは、各砲塔(砲身)の貧弱な感じと本体から生えている4本足の薄さです。

 (写真下段) こちらもいろいろパーツが足りていませんが、改造後に仮組みしたアッザムです。
 本体にプラ板を挟んで厚みを増してやり、すべての砲身を真鍮パイプで作り直してあります。
 もちろん他にも改造していますが、とりあえずこの2点だけ抑えておけばかなり印象が変わって
 カッコ良くなると思います。
 

▼ 塗装工程 ▼

 (写真左) 本体色の塗装です。 まず下地を「ブラック」で塗装します。

 (写真中央) 調色して作ったアッザム色「(パープル+ブルー+ホワイト)」で、エアブラシを使って
 いつものグラデーション塗装です。

 (写真右) 足にある8基のファンは「ニュートラルグレー」で筆塗りしました。
 その後、エナメル系の「フラットブラック」でスミ入れをします。
 


 (写真左・中央) 足の塗装です。 まずは「ブラック」→「ニュートラルグレー」でグラデーション。

 (写真右) 上記の塗装が乾燥した後、マスキングをして自作の「アッザム色」を吹き付けました。
 


 (写真左) 伸縮する足のシリンダー部分の塗装です。 まず「ブラック」下地に(株)ガイアノーツの
 「スターブライトシルバー」を吹き付けます。

 (写真中央・右) 上記の塗装が乾燥した後、キッチン用の『アルミテープ』を巻き付けます。
 伸縮するシリンダー部分は動かす度に擦れるので、塗装の剥がれを防止する狙いもあります。
 


 (写真左) 同スケールのガンダムの塗装です。 まずは『つや消しホワイト』を吹き付けます。

 (写真中央・右) 本体の「つや消しホワイト」とシールドの「シャインレッド」と「マルーン」以外は、
 すべて筆塗りで仕上げました。 小さいのでナカナカ大変でした。
 

▼ 組み立て ▼

 (写真左) 足の組み立てです。 足のパーツ構成はこんな感じです。

 (写真中央・右) まずボールジョイントをハメ込み、次に足の外部内側の骨組みパーツ(これ、
 どう言えば良いんでしょう?)の輪っかを通します。
 


 (写真左・中央) シリンダーパーツをボールジョイントの軸に接着して、次に足のメインパーツを
 差し込みます。

 (写真右) 外部骨組みパーツの上部は、プラスチックの弾力を利用してハメ込みます。
 


 (写真左) 足は内側から見るとこんな感じになっています。

 (写真中央・右) 最後にピンク色で塗り分けられた丸パーツを接着してやれば足は完成です。
 


 (写真左) 砲塔の組み立てです。 まず、ピンバイスで穴を開けたポリランナーを差し込みます。

 (写真中央) そのポリランナーの穴に真鍮パイプで作った砲身を差し込みます。

 (写真右) 完成です。 ポリランナーのお陰で動きも滑らかです。
 


 (写真左・中央) 本体に足を取り付けます。 『Y・ヒンジ(2)』の軸を本体および足に接着します。

 (写真右) 目(コックピット)を接着します。
 


 ナゾの先端パーツを接着して、本体上部の砲塔4基と下部の砲塔4基を取り付けて完成です。
 


 完成した『アッザム』です。

 こうして立たせているだけなら全然問題無いのですが、実は『Y・ヒンジ(2)』は関節の保持力が
 弱いため、持ち上げると足がプラプラします。(特に右前足)

 あと、接地する丸いパーツの接続にはボールジョイントを使っているのですが、骨組みパーツの
 輪っかのせいで可動範囲が狭くなってしまいました。 ちょっと残念。
 


 (写真左・中央) 同スケールの『ガンダム』の組み立てです。 足も腕もすべて接着しています。

 (写真右) こんなに小さい。
 


 (写真左) 同スケールの『マゼラ・アタック』です。 十分カッコイイので無改造です。

 (写真中央・右) 『アッザムリーダー』です。 パーツが2個しかないので組み立てと言うほどでも
 無いのですが、実はこれで完成ではありません。
 


 (写真左・中央) 『アッザムリーダー』から飛び出すワイヤーとしてギターの弦を接着します。
 接着にはエポキシ接着剤を使用しました。

 (写真右) ちなみに弦は、「何かに使えるかも...」と思って取っておいた使用済みの弦があった
 ので、それを使おうと思ったのですが、部分的に傷みが激しかったので新品を買いました。
 写真は『YAMAHA .026』と『アーニーボール 26』。(確か160円〜350円ぐらい。)
 楽器屋さんに行けばあります。
 


 (写真左) 今回は『アッザムリーダー』の攻撃を再現したいと思ったので、簡単なジオラマも作る
 事にしました。 まず、木製のベースにウレタンニス(色はオールナット)を塗ります。

 (写真中央) ウレタンニスが乾いたらベースの縁をマスキングします。 次に『カラーパウダー』や
 『バラスト』などといった粉とか小石とかを混ぜた石粉粘土をベースに薄く盛り付けます。

 (写真右) 粘土が乾いたら『セールカラー』で塗装して乾燥した砂地を表現して見ました。
 


 (写真左・中央) ジオラマにガンダムを設置します。 倒れないように真鍮線の支えがありますが
 支えが入るのは片足だけなので、設置後にも自由に向きを変える事が出来ます。

 (写真右) アッザムリーダーのワイヤーをジオラマの穴に差し込んでいきます。 この時、対称の
 2本ずつ差し込んでいくと比較的安定した設置作業ができます。
 


 (写真左) アッザムリーダーの設置完了。 ギターの弦を使ったのは、このように設置した時の
 ワイヤーのテンションがちょうど良かったからなのです。

 (写真中央) 真鍮線や真鍮パイプを使って『アッザム』と『電磁粒子弾』の支柱を作りました。
 出来るだけ目立たないように塗装はつや消しホワイトで行いました。

 (写真右) これで完成です。 ただし『アッザム』の支柱はちょっと...かなり不安定なので、これは
 撮影用という事にします。 (完成画像はこちらです。)
 

▼ おまけ画像 ▼
 我が家の文鳥たち、今回はやけに警戒してまったく近付いてくれませんでした。
 苦肉の策として豆苗でおびき寄せて見たのですが.....シロコの嫌そうな顔。

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