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切削工具 スジ彫りの基礎 【スジ彫り上級篇


* スジ彫りとは *
 
 『スジ彫り』とは、作品の表面に直線や曲線や模様などを彫る技術の事です。 写真(左)の
 『亀』の手足、頭、甲羅のラインなどがそれに当たります。
 
 スジ彫りに使用する工具は、おもに『Pカッター』、『ケガキ針』、『目立てヤスリ』などですが
 時には『彫刻刀』も使います。 その他『コンパスの針』でも代用できます。
 また、スジ彫りの“アタリ”となるラインをケガく時には、『デザインナイフ』なども使用します。
 正確な形状のスジ彫りには、『定規』や『テンプレート』なども必要です。
 
 これらの工具を、スジ彫りを施す場所や、スジ彫りの形状に応じて使い分けます。
 
 スジ彫りの例。 スジ彫り工具各種。 定規、テンプレートなど。


* 平面へのスジ彫り *
 
 『平面に対して直線』のスジ彫りをする時には、『Pカッター』が適していると思います。
 定規を当てて、力の加減に気を付けながら丁寧にラインを彫ります。
 『Pカッター』は、刃が厚いので、同じラインをなぞるように何度も彫っていると、スジ彫りの
 幅がどんどん太くなってしまいます。 細いスジ彫りを施す時は、力加減に気を付けながら、
 できるだけ同じラインを何度もなぞらないように仕上げるのがコツです。
 
 『平面に対して曲線』のスジ彫りをする時は、その曲線が比較的ゆるやかな線であれば、
 『Pカッター』で十分ですが、小さな円形や複雑な模様などを彫る場合には、『ケガキ針』が
 オススメです。 こちらも、とにかく力加減に気を付けて慎重に作業を進めます。
 
 直線ラインのスジ彫り。 曲線ラインのスジ彫り。 完成。


* スジ彫りの修正 *
 
 『スジ彫り』には失敗が付き物です。 ラインがズレて歪んでしまったり、余計な所まで彫って
 キズを付けてしまったりと、失敗して修正が必要になる事も多々あります。
 
 失敗してキズになったスジ彫りは、まず『ポリパテ』などで埋めてやります。 パテが完全に
 硬化したらペーパーを掛けて平面を復活させ、その後、正しいスジ彫りの方へはみ出した
 パテを削ってやれば修正完了です。
 幅が広くなり過ぎたスジ彫りは、『ポリパテ』で完全に埋めて元の状態に戻してから、再度、
 彫り直すと良いでしょう。
 
 『ポリパテ』以外のパテで修正する事もあります。 失敗したスジ彫りの深さや、スジ彫りを
 施した素材に応じて、『ラッカーパテ(プラパテ)』や『瞬間接着パテ』なども使い分けます。
 
 失敗例。 ポリパテで修正。 ペーパーを掛けて完了。

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