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パテの使い方
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* 気泡、段差の処理 *
 
 『気泡』とは、ポリパテやポリウレタン樹脂などの内部に含み込んだ泡のような空気の塊
 (かたまり)の事です。 最初から表面に出ている気泡もあれば、切削作業や研磨作業に
 よって表面に出てくる厄介な気泡もあります。
 また、ポリウレタン樹脂による複製品などは、気泡と同時に型の合わせ目のズレによって
 『段差』も生じます。 この『気泡』や『段差』をポリパテで修正してやります。
 
 基本的には、前項でも解説した「盛っては削る」という作業の応用ですが、気泡や段差の
 処理で大事なのは、やはりパテの『食い付き』です。 盛り付ける所の表面を荒らしたり、
 油分を除去したりして、できるだけパテの食い付きを良くしてやりましょう。 小さな気泡は、
 デザインナイフなどで大きく広げやると、パテが入りやすくなります。
 
 型のズレによる複製品の
 段差の例。
 パテが入りやすいように、
 気泡を大きく広げる。
 ポリパテを盛り付ける。


* 硬化時間の短縮法 *
 
 ポリパテの硬化時間を短縮すると、作業効率が大幅に上がります。
 一番簡単な方法としては、単純に『硬化剤の量を増やす』事。 これだけでも硬化時間は
 ずいぶん短縮できます。(若干硬化後の収縮が大きくなります。)
 
 オーブントースターの余熱やドライヤーの熱風で温めてやるのも効果的です。
 ただし、ドライヤーの場合は、熱風を当てている間は他の作業ができないのが欠点です。
 また、熱で硬化を促進させる場合、プラスチックなどの熱に弱い素材に盛り付けた時には、
 加熱し過ぎないように十分注意が必要です。
 その他、瞬間接着剤を混ぜてやるのも硬化の促進に効果的な様です。
 
 あまり一般的ではありませんが、『コバルト(促進剤)』を混ぜるという方法もあります。
 冬の野外でもバッチリ硬化するほどの効果があります。
 使用方法は、まず硬化剤を混ぜる前のポリパテに、極少量(0.1%から0.5%くらい)の
 コバルトを添加して、よく混ぜ合わせます。 パテの色が均一になったら、後はいつも通り、
 硬化剤を適量混ぜて使用するだけです。
 
 注意点としては、『コバルトと硬化剤を同時に混ぜ合わせない』事です。 爆発的な分解を
 起こすので絶対にやってはいけません。
 
 余熱で硬化を促進。 コバルトで硬化を促進。 コバルトはちょっぴり。


* 色々な利用法 *
 
 「盛って削る」作業が基本のポリパテですが、実は他にも色々と使い方があります。 下の
 写真は、『面相筆』を使って直接ポリパテで形を作っているところです。 適量のパテを筆に
 取って描き込むように形を作っていきます。 筆には、少しラッカー系シンナーを含ませると
 ポリパテが毛先に付いてくるのを防止できます。 細かいディテールを簡単に作りたい時に
 便利な方法です。
 
 ポリパテをラッカー系シンナーで希釈(きしゃく)してトロトロにしてやると、型に流し込んだり
 筆で塗り付けるようにして使用する事もできます。 硬化速度は遅くなってしまいますが、
 その分、ゆっくりと丁寧に作業ができるとも言えます。 ただし、希釈し過ぎると硬化不良を
 起こしてしまうので注意です。 『スチレンモノマー』という専用希釈剤もあるので、こちらを
 利用した方が安心です。
 
 ポリパテを使って、作品の底面などの平らな面を出す事もできます。
 方法は、作品の底面にポリパテを盛って平らな面に押し付けたまま硬化させるだけです。
 完全硬化前に剥がして、軽く整形してやれば簡単に平面ができます。
 平面だけでなく、球面が欲しければ球面に、直角が欲しければ直角な面に押し付ければ、
 好きな形の面を簡単に作る事ができます。 押し付けた面にポリパテが食い付いてしまい
 剥がれなくなってしまうと困るので、押し付ける面の方には必ずワックスなどの『離型剤』を
 塗っておくのを忘れないように注意です。
 
 筆先にポリパテをのせる。 書き込むように盛り付け。 完成したアイリング。

 ポリパテを盛り付ける。 面に押し付けたまま硬化。 余分を切削。

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